不動産鑑定評価理論における常識として、「価格と賃料には正の相関関係が合って、価格が高いと賃料も高い」というものが有ります。

この発想は、一般の感覚にも合致するものですし、基本的な構造としては間違いの無いものです。

ただ実際に不動産を見ていると、色々と面白い事象が有りまして…今回はこの事について書いてみたいと思います。

周辺市より大阪市内中心区の方が、事務所家賃が安い

意外なように思われるかもしれませんが、周辺市で事務所等を探そうとすると直面する事象です。

供給が沢山あって競争が働く大阪市内中心区に比べて、周辺市ではそもそも供給が少ないため、賃料が高止まりしている現象が見られます。

また、ファンドバブルの崩壊による不況期にも、市内の物件の賃料はドンドン下がるのに、周辺市の特上立地物件は、賃料が余り変わらないという現象が有りました。

需要と供給のバランスの中で起こる歪みなんでしょうね。

地方駅前のボロボロのビルが物凄く高い賃料

これも鑑定の中で結構目にすることでして、第一印象で「これはきっついなぁ…」なんて思った物件が、「こんなに出るんや!」なんてことも。

これは、エリア一等立地の場合、医療機関・美容室・音楽教室等の需要が底堅く、そういうテナントは、賃料も結構払ってくれる事から生じる事象です。
また、プライム立地の場合、物件の古さを立地がカバーしてくれる点も有るんでしょうね。

こんな場所でこんな地代!?

一時期(ってだいぶん前ですが)、ホームセンター等のロードサイド店舗が出店を競っていた際に、いわゆる田舎の方で結構頻繁に見かけた事象です。

彼らの判断基準が、売上に対する負担可能額で、売上は「周辺人口・道路付け・確保可能な面積」と関連するし、逆に言うと地価とは関連しない(極論をいうと、どこでもあんまり支払い可能地代は変わらない)。

その中で更に、競合店との陣取り合戦もあって、地価との関連性で言うとびっくりしてしまうような地代での契約が出てきたのでしょう。

まとめ

このように見てみると、地方での投資というのも面白いかもしれないですね。意外な穴場がありそうで…。

いやいや、そういう話ではなく(笑)、価格(元本)と賃料(果実)の相関が崩れる場面は結構有るということです。

今回は、良い方?(価格<<賃料)の例を上げましたが、逆に「価格に見合った賃料を取れない」ということも多々…。

我々鑑定士としては、こういうアンバランスな事象が有ることを認識して、評価に反映させる必要がありますし、不動産投資等に興味をお持ちの方も、ちょっと頭の片隅において置かれても損はないのではないかと。